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zoom RSS 三島由紀夫の内的風景

<<   作成日時 : 2007/08/05 16:39   >>

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 2007年8月5日
 第4回

 「荒野」からの声  (その3)

 三島の自衛隊への体験入隊や、「楯の会」の発足などはこの事件より後のことになるが、青年の言う「本当のこと」が、例えば、写真集「薔薇刑」や小説「憂国」の映画化、或いはこの事件の前月に発表された小説「英霊の声」などに関わる政治的、思想的、更に社会的などの事柄であったとしたら、「何をしにきたんですか」と最初に三島に聞かれた時に、或いは、「本当のこととは何です」と問われた時点で、青年は恐らく聞きたいことを口にしていただろう。
 まして、三人の警官に取り押さえられ、連行されながら「正視に耐へない表情」をし、「三島さあん!三島さあん!」と絶叫する場面で、そのことを口に出さないとはまず考えられないだろう。 周りに警官がいたり、三島の家人がいたとしても、聞くことにさほどためらうようなことではないのだから。
 この青年の絶叫は、先述した本当のことを永久に聞くことができなくなったことを知った青年の絶望の表れだろう。そしてその青年の絶望の中味を、三島は、この時点でか後のいずれの時点でかはともかく、正確に理解していたと思う。
 同性愛という青年自身の心身にざっくり食い込んでいる性的指向そのものを口に出せるとしたら、三島と二人だけで静かな場所でゆったり向き合える状況でないと、青年には難しかっただろう。この青年が同性愛者であることも含め、それらのことをほぼ総て三島は見抜いていたと私は思う。

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