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zoom RSS 三島由紀夫の内的風景

<<   作成日時 : 2007/08/06 15:39   >>

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 2007年8月6日
 第5回

  「荒野」からの声  (その4)
 
 付言すれば、三島自身一時(いっとき)錯覚したように、万一、青年と三島が二人だけで別室で話をするという展開になったとしても、(三人の警官が既にこの場に駆けつけている状況の中で、それは現実には有り得なかっただろうが)青年の問いに対し、三島が「本当のこと」を話すことはなかっただろう。「本当のことを話してください」と二度目に青年に言われた時、「ああ、何でも本当のことを話しませう」と言ったものの、「さうして時を稼ごうと思ったのである」という文面からも、その一端は推測できる。
 無論、不法に侵入した相手に率直に語ることのできる事柄ではないだろうし、更に、全く別の状況で、別の誰かに仮に面と向かって聞かれたとしても、三島は本当のところを口にすることは九分九厘なかっただろう。よほど特別な間柄と状況の場合はともかく。
 従って、青年のこの問いは、始めから真の答えから見放された、永久に問いのままで終わる類のものだったのだ。青年もそのことは何程か分かっていたのかもしれない。青年の最後の絶叫の中には、そうした思いも混じっていたかもしれない。
 

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