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zoom RSS 三島由紀夫の内的風景

<<   作成日時 : 2007/08/09 17:02   >>

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 2007年8月9日
 第7回

  「荒野」からの声  (その6)

 1949(昭和24)年、この青年と大体同じ年齢であろう24歳の時に刊行した『仮面の告白』の中で、三島は次のように書いた。
「お前は人間ではないのだ。お前は人交はりのならない身だ。お前は人間ならぬ何か奇妙に悲しい生物(いきもの)だ」
 体の芯から吹き上げてくる、身の凍りつくような底なしの悲しみと孤独。この青年を締め上げているのとそっくり同じ孤独を、この青年と同じ同性愛者の三島は、41歳でこの『荒野より』を書いている17年前の時点で知っていたのだ。「かつて、さういふ孤独を知らぬではない」と正直に告白しているように。
 作品中にある「慄へながら立つてゐる一人の青年の、極度に蒼ざめた顔を見たときに、私は自分の影がそこに立つてゐるやうな気がしたのである」や、「あいつは私の心から来たのである」は、まさしく「本当のこと」を三島が率直に語っている箇所だろう。青年は、見ようによっては17年前の三島自身、過去の己の亡霊とも言える存在のように三島には映ったのではないか。その意味で、『荒野より』は、短編ながら、17年後に書かれた第二の『仮面の告白』とも言える作品だと私は思う。

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